今回は、ちょっと難解な数Ⅰの因数分解です。
\(ab(a+b)+bc(b+c)+ca(c+a)+3abc\)を因数分解しなさい。
という問題なんですが、必ずと言っていいくらいみんな同じところで行き詰まります。
『え~ぇ!!!そんなんできるんですか~ぁ???』
という反応を見せる生徒もいたくらいです。
今回はその行き詰まるところを重点的に解説していこうと思います。
以下の手順で式をまとめていきます。
まずここまでやってみましょう。
\(\begin{eqnarray}
&=& a^2b+ab^2+b^2c+bc^2+ac^2+a^2c+3abc \\
&=& a^2b+a^2c+ab^2+ac^2+3abc+b^2c+bc^2 \\
&=& (b+c)a^2+(b^2+3bc+c^2)a+bc(b+c) \\
\end{eqnarray}
\)
ここで、みんな詰まります。
その理由は、
じゃぁどうしたらいいのか?
このやり方が違うのか?
いえいえ、これでいぃ~~んです!
これで「たすき掛け」してみます。
\(
\begin{eqnarray}
(b+c) bc &=& bc \\
1 (b+c) &=& b^2+2bc+c^2 \\
&=& b^2+3bc+c^2\\
\end{eqnarray}
\)
なんと!\(a\)の係数部分と同じ式になるじゃないですか!
\(\begin{eqnarray}
&=& \{a+(b+c)\}\{(b+c)a+bc\}\\
&=& (a+b+c)(ab+bc+ca)\\
\end{eqnarray}
\)
ということで、最終形は
\(
(a+b+c)(ab+bc+ca)
\)
となります。
いかがでしたか?
このような複雑な因数分解は、パターンを知ることも大事ですが、式と式を掛け合わせるとどうなるのか?という部分まで深く探求できるかどうかまで突っ込んだ問題も存在します。
でも練習すればだれでもできる内容ですので忘れたころにもう一度チャレンジしてください。
勉強が済んだら遊びに出かけませんか?
\((b^2+3bc+c^2)a\)
の部分が、
\((b^2+2bc+c^2)a\)
となっていて、
\((b+c)^2a\)
と変形出来て、\((b+c)\)が各項の共通因数となって2段階因数分解できるようになっていたのですが、今回はそういうわけにはいかないからなんです。