ある高等学校の1年生全員が長椅子に座るのに、1脚に6人ずつかけていくと15人が座れないので、1脚に7人ずつかけていくと、使わない長椅子が3脚できる。長椅子の数は何脚以上何脚以下か

塾講師日記

本日は文章問題です。

ある高等学校の1年生全員が長椅子に座るのに、1脚に6人ずつかけていくと15人が座れないので、1脚に7人ずつかけていくと、使わない長椅子が3脚できる。長椅子の数は何脚以上何脚以下か。

という問題です。

ただの1次方程式じゃなの?

そう思った人もいると思いますが、この問題はれっきとした「不等式」の問題なんですね。
では一つ一つポイントを押さえていきましょう。

1:一次方程式の考え方で式を作ってみる

考え方ですが、「一次方程式」と同じ考え方で行ってみましょう!

長椅子の数を聞かれているので、長椅子が\(x\)脚あるとしましょか。
1脚に6人ずつ座ります。
全部の椅子に6人ずつ座ったら何人座れますか?
そう、\(6x\)人座れますね。…①
これで全員座れましたか?
そう、15人が座れませんでしたね。…②
さてこの①と②の情報から生徒数を式で表せますね?
そう、\((6x+15)\)人になりますよね。

同じように1脚に7人ずつ座る場合を考えるのですが、実はここがこの問題の「急所」になります。
どういうことかというと、もう一度問題文に注目しましょう。

”1脚に7人ずつかけていくと、使わない長椅子が3脚できる”

最後から数えて3脚を使わなかった、だから使った椅子は\((x-3)\)脚というのはわかると思います。

では最後から数えて4脚目には何人座ったんでしょうね?

実はこの問題、これが「急所」だったんです。
結論から言うと、最後から数えて4脚目には最小で1人座ったかもしれないし、最大で7人座ったかもしれない、という想定で2種類の式を作るのです。

1:4脚目に1人だけ座った場合

7人ずつ座った椅子は何脚になるでしょうか?
そう、\((x-4)\)脚になりますよね。
なぜなら、3脚は使わなかったし、最後の1脚は1人しか座っていないので、4脚は7人ずつ座っていないとみなす考え方です。
よって座っている生徒数は\(7(x-4)+1\)人になります。

2:4脚目に7人座った場合

一方、最後の1脚に最大数の7人が座った場合、7人ずつ座っている椅子は\((x-3)\)脚になります。
よって座っている生徒数は\(7(x-3)\)人になります。

2:不等式を作ってみる

生徒用解答の解説を見ると不等式が、

\(7(x-4)+1≦6x+15≦7(x-3)\)

となっていると思います。
しかしここで謎が・・・

\(7(x-4)+1\)人と\(7(x-3)\)人では、なぜ\(7(x-3)\)人の方が多いと言えるのか?

不思議に思いませんでしたか?

<不思議に思った方へ>

\(7(x-4)+1\)も\(7(x-3)\)も用意された椅子の数は\(x\)脚で同じです。
仮に用意された椅子が10脚としたら、\(7(x-4)+1\)は生徒数が43となり、\(7(x-3)\)は49人となります。
だから\(7(x-3)\)人の方が多いと言えるのです。

3:連立不等式を解く

\(
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
7(x-4)+1≦6x+15…① \\
6x+15≦7(x-3)…②
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\)
①より\(x≦42\)
②より\(x≧36\)

以上より\(36≦x≦42\)
よって答えは

36脚以上42脚以下

となります。

いかがでしたでしょうか。
勉強頑張ってっくださいね!

勉強した後は、アウトドアで思いっきり体を動かしてみてはいかがでしょうか?

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