本日もフォーカスゴールド数学ⅠAより因数分解を持ってきました。
$$(x-y)^3+(y-z)^3+(z-x)^3$$
です。
前に解説した\(a^3+b^3+c^3-3abc\)の応用として解くパターンと、自力で展開して解くパターンと2通りやってみます。
まず\(a^3+b^3+c^3-3abc\)の応用で考えます。
この考え方では、あることに気づくかどうかがカギになります。
\(
(x-y)=A\\
(y-z)=B\\
(z-a)=C\\
\)
と置き換えます。
その際に、
\(
A+B+C=(x-y)+(y-z)+(z-x)=0
\)
に気づくか否かがこの問題を解くカギになります。
えっ!?なんでなん?
使いどころに気づいてもらいたいのでこのまま解法を続けます。
\((x-y)^3+(y-z)^3+(z-x)^3=A^3+B^3+C^3\\
\)
ここで、\(a^3+b^3+c^3-3abc\)を使って\(A^3+B^3+C^3\)を変形します。
\(\begin{eqnarray}
&=& A^3+B^3+C^3 \\
&=& A^3+B^3+C^3-3ABC+3ABC\\
&=& (A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)+3ABC\\
\\
\end{eqnarray}
\)
さぁ、みなさん、気付きましたか?
\(
A+B+C=0\\
\)
をここで使うのかということを。
\(
(A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)+3ABC\\
\)の\((A+B+C)\)が\(0\)に置き換わるので、
\(
\begin{eqnarray}
&=& (A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)+3ABC\\
&=& 0(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)+3ABC\\
&=& 3ABC\\
\end{eqnarray}
\)
ということで、\(3ABC\)だけが残りました。
これを基の式に置き換えれば因数分解完了となります。
答え:\(3(x-y)(y-z)(z-x)\)
さて、次は自力で展開したらいったいどうなるのか?
やってみましょう。
\begin{eqnarray}
&=& (x-y)^3+(y-z)^3+(z-x)^3\\
&=& x^3-3x^2y+3xy^2-y^3+y^3-3y^2z+3yz^2-z^3+z^3-3z^2x+3zx^2-x^3\\
&=& -3x^2y+3xy^2-3y^2z+3yz^2-3z^2x+3zx^2\\
\end{eqnarray}
\)
ここで\(x\)について降べきの順に並べ替えます。
\(
\begin{eqnarray}
&=& 3zx^2-3x^2y+3xy^2-3z^2x+3yz^2-3y^2z\\
\end{eqnarray}
\)
まず共通因数である3で因数分解してみます。
\(
\begin{eqnarray}
&=& 3zx^2-3x^2y+3xy^2-3z^2x+3yz^2-3y^2z\\
&=& 3(zx^2-x^2y+xy^2-z^2x+yz^2-y^2z)\\
&=& 3\{(z-y)x^2-(z^2-y^2)x+(z-y)yz\}\\
&=& 3\{(z-y)x^2-(z-y)(z+y)x+(z-y)yz\}\\
\end{eqnarray}
\)
さらに( )内の因数分解に取り掛かります。
\(
\begin{eqnarray}
&=& 3\{(z-y)x^2-(z-y)(z+y)x+(z-y)yz\}\\
&=& 3[\{z-y\}\{x^2-(z+y)+yz\}]\\
&=& 3(z-y)(x-y)(x-z)\\
\end{eqnarray}
\)
おっと!( )内の数式が最初の解答とちょっと違いますね。
\((z-y)\)を\(-(y-z)\)にいったん変更します。
これによって、
\(
\begin{eqnarray}
&=& -3(y-z)(x-y)(x-z)\\
\end{eqnarray}
\)
となって、\(-1\)を\((x-z)\)に掛けます。
\(
\begin{eqnarray}
&=& -3(y-z)(x-y)(x-z)\\
&=& 3(x-y)(y-z)(z-x)\\
\end{eqnarray}
\)
はい、いかがでしたか?
あ~しんどかった。
勉強した後は、アウトドアで思いっきり体を動かしてみてはいかがでしょうか?