今回は
$$(a+b-c)(ab-bc-ca)+abc$$
の因数分解をやってみます。
式の展開
まず地道な方法ですが式を展開していきます。
\(
\begin{eqnarray}
&=&a^2b-abc-a^2c+ab^2-b^2c-abc-abc+bc^2+ac^2+abc
\end{eqnarray}
\)
式の整理
次に\(a\)について降べきの順に並べ替え、更に同類項もまとめていきます。
\(
\begin{eqnarray}
&=&a^2b-abc-a^2c+ab^2-b^2c-abc-abc+bc^2+ac^2+abc\\
&=&a^2b-a^2c+ab^2-2abc+ac^2-b^2c+bc^2
\end{eqnarray}
\)
個別に因数分解
ここからは個別に因数分解をやっていきます。
まず\(a^2\)の項の因数分解です。
\(
\begin{eqnarray}
&=&a^2b-a^2c\\
&=&(b-c)a^2・・・①
\end{eqnarray}
\)
次に\(a\)の項の因数分解です。
\(
\begin{eqnarray}
&=&+ab^2-2abc+ac^2\\
&=&+(b^2-2bc+c^2)a\\
&=&+(b-c)^2a・・・②
\end{eqnarray}
\)
最後に\(-b^2c+bc^2\)の因数分解です。
\(
\begin{eqnarray}
&=&-b^2c+bc^2\\
&=&-(b-c)bc・・・③
\end{eqnarray}
\)
因数分解後の式の整理
①+②+③で式を作り直します。
\(
\begin{eqnarray}
&=&(b-c)a^2+(b-c)^2a-(b-c)bc
\end{eqnarray}
\)
となります。
共通因数でくくり出し
\((b-c)\)が共通因数になるので、それで因数分解をします。
\(
\begin{eqnarray}
&=&(b-c)a^2+(b-c)^2a-(b-c)bc\\
&=&(b+c)\{a^2+(b-c)a-bc\}
\end{eqnarray}
\)
となります。
さらに\(\{a^2+(b-c)a-bc\}\)も因数分解できます。
\(
\begin{eqnarray}
&=&\{a^2+(b-c)a-bc\}\\
&=&(a+b)(a-c)
\end{eqnarray}
\)
最終形
最終形は
\(
(b-c)(a+b)(a-c)
\)
となるのですが、高校で配られている生徒用解答によれば、「輪環の順」に並べなおすようす。
まず、
\(
=(a+b)(b-c)(a-c)
\)
と並び変えて、最後の\((a-c)\)を\((c-a)\)に変えるために、
\(
=(a-c)\\
=-(c-a)
\)
と、マイナスを括弧の前に出して符号をチェンジします。
生徒用解答に掲載されている答えは、
\(
=-(a+b)(b-c)(c-a)
\)
になります。