大阪の公立高校入試は中学1年生から始まっている理由を誰も書かないデータとともに解説!

塾講師サポ

大阪府にお住いの
・受験を経験された保護者様
・受験指導経験のある塾講師の皆様
釈迦に説法ですが、大阪府の公立高校の入試のシステムや、どのくらいの成績ならどの高校へ合格できるか、などの情報をお持ちだと思います。

今日ご紹介するのは、

1:大阪府の公立高校入試の仕組み(簡単に)
2:公立高校入試の具体例
3:公立高校入試が中学1年生から始まる理由

以上の3点です。
目線は「新人講師」に向けて書きます。

この記事を読むことで、中学1年生から頑張っておく理由を理解できます。

なお、使用する偏差値データは「大阪進研」さんのデータを利用させていただきました。

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1:大阪府の公立高校入試の仕組み

本格的な仕組みについては、大阪府の教育委員会のホームページをご覧いただくこととして、ここでは本当に簡単に説明をしたいと思います。

(1)公立高校入試の種類

大阪府の公立高校入試は2種類あります。
①特別選抜
②一般選抜
です。

①特別選抜

2月20日頃に学力検査が実施されます。
大雑把に書きますが、「実技試験が必要な学科」「面接を実施する学科」がメインの入試です。
音楽科・体育科・美術科などです。

特別選抜の合否判定は、
・入試当日の学力検査の点数
・内申点
・実技試験・面接試験の点数 (学校により違う)
の合計点で決まります。

特別選抜の学力検査の点数の決め方

入試当日は、英語・数学・国語・理科・社会の5科目の学力検査が実施されます。
1科目45点満点のテストです。
英語・数学・国語には、A・B、2種類の検査問題が用意されていて、どちらの問題を採用するのかは、高等学校にゆだねられています。この選択は事前(7月頃)に大阪府教育委員会のホームページで発表されます。

特別選抜の内申点の決め方
2 調査書(様式151<特別・能勢分校・一般・二次選抜用>)の作成
(1) 全般的留意事項
ア :中学校長は、府教育委員会が調査書を作成するために指定したソフト(以下「調査書作成ソフト」という。)を使用して作成することとする。
イ :特別選抜及び能勢分校選抜については、令和2年12月31日現在をもって作成する。ただし、令和3年1月1日(金)から2月16日(火)までに転入学した者は、転入学した日をもって作成する。・・・以下省略
令和3年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項より抜粋

中1・中2・の3学期の通知表の点数と、中3の1学期と2学期の通知表の点数が内申点になります。以下、その計算方法です。
中1・・・5点満点×9科目=45点満点×1=45点満点
中2・・・5点満点×9科目=45点満点×1=45点満点
中3・・・5点満点×9科目=45点満点×3=135点満点
これを合計した225点が満点となります。

②一般選抜

3月10日頃に学力検査が実施されます。特別選抜を実施しなかった学校・学科すべてが対象になります。

一般選抜の合否判定は、
・入試当日の学力検査の点数
・内申点
の合計点で決まります。

一般選抜の学力検査の点数の決め方

入試当日は、英語・数学・国語・理科・社会の5科目の学力検査が実施されます。
1科目90点満点のテストです。
英語・数学・国語には、A・B・Cの3種類の検査問題が用意されていて、どの問題を採用するのかは、高等学校にゆだねられています。この選択は事前(7月頃)に大阪府教育委員会のホームページで発表されます。

一般選抜の内申点の決め方
2 調査書(様式151<特別・能勢分校・一般・二次選抜用>)の作成
(1) 全般的留意事項
ウ :一般選抜及び二次選抜については、令和3年2月15日現在をもって作成する。ただし、令和3年2月16日(火)から3月5日(金)(二次選抜については令和3年2月16日(火)から3月22日(月))までに転入学した者は、転入学した日をもって作成する。
令和3年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項より抜粋

中1・中2・中3の3学期の通知表の点数が内申点になります。
中1・・・5点満点×9科目=45点満点×2=90点満点
中2・・・5点満点×9科目=45点満点×2=90点満点
中3・・・5点満点×9科目=45点満点×6=270点満点
これを合計した450点が満点となります。

(2)特別選抜・一般選抜ともに学力検査と内申点には学校独自の傾斜配点が存在する

大阪府の公立高校入試では、学力検査の点数と内申点を傾斜配点する仕組みが導入されています。その内訳ですが、

Ⅰ型 学力検査結果×1.4:内申点×0.6
Ⅱ型 学力検査結果×1.2:内申点×0.8
Ⅲ型 学力検査結果×1.0:内申点×1.0
Ⅳ型 学力検査結果×0.8:内申点×1.2
Ⅴ型 学力検査結果×0.6:内申点×1.4

のようになっています。
Ⅰ・Ⅱ型は、学力検査結果重視型Ⅳ・Ⅴ型は内申点重視型です。

例えば、北野高校や天王寺高校などのいわゆる「高偏差値校」はⅠ型採用校が多く、「低偏差値校」はⅣ・Ⅴ型が多いのが特徴です。でも私はいちいちどこの学校が何型を採用している高校なのか覚えていたわけではなく、また年度によって高校側が変更するときもあるので、大阪府教育委員会が毎年発表する「大阪府公立高等学校等アドミッションポリシー(求める生徒像)並びに学力検査問題の種類並びに学力検査の成績及び調査書の評定にかける倍率のタイプ」をダウンロードしてファイルに閉じています。

(3)入試結果で定員すべてが決まるわけではない!ボーダーゾーンとは

これも大阪独自の合否判定法です。
例えば定員320名の高校があったとします。合否は先に説明した通りで、一般入試であれば検査結果と内申点の合計点で点数の高い人から順に合格が決まってい行きます。
しかし、最後の320番目までこの順番通りに合格者を決定するわけではないのです。
これがボーダーゾーンという仕組みになります。

①特別選抜・一般選抜のボーダーゾーン

受験生を総合点順に並べて、まず定員の110%をⅠ群と定めて、このⅠ群に入れなかった受験生は自動的に不合格となります。次に、このⅠ群のうち上位90%は得点順に合格を決め、残りの20%をボーダーゾーンと定めて残りの10%は、学校独自に選出する、ということになります。

例えば、定員120名の学校があったとします。合否は先に説明した通り、検査結果と内申点を傾斜配分割合に換算しなおして総合点を出します。また、特別選抜の場合は前述の点数に実技試験の点数も合計して総合点にします。
これを点数の高い順に並べて、まずⅠ群として132人を選出します。この132人の中から上位90%に当たる1番目~108番目までは、得点通りに合格となります。

ボーダーゾーンに入る24人の中から残りの12人の合格者を選抜するわけですが、その方法は、各高等学校が定めるアドミッションポリシーに合う生徒を自己申告書・活動/行動の記録から判断し高等学校判断で合格が決まります。自分がボーダーゾーンに入らないとは限らないので受験生は全員、自己申告書を作成するのです。

②特別選抜(面接実施校)のボーダーゾーン

英語・数学・国語の3教科の合計点が基準点に達した生徒のうち、アドミッションポリシーに合う者を面接・自己申告書・活動/行動の記録から判断し,募集定員の50%を合格とします。
この時の点数割合は、面接:自己申告書:活動/行動の記録=2:1:1の割合で重視するようになっています。
残りの50%の合格者は、まず受験生を総合点の高い順に並べて、総合点の高い受験生から順に合格とします。

2:内申点と受験可能高校

ここからは実践編です。大阪府の公立高校の入試で中学1年生から通知表の点数がとれていなかった場合、一体どのような高校への受験が可能なのかを検証していきます。

なぜこのような現実的な話をするかというと、私が塾に勤めていた時に中3の夏以降、しっかり勉強すればそこそこの公立高校へ進学できると思っている中学生がなんと多い、かという現実を何度も見てきたからです。そして、現実を知って憂いても後の祭り、やる気スイッチに灯がともるどころか、灯が消えていく生徒を何人も見てきました。

(1)中1~中3ずーっとオール3の成績だとこの辺の高校が受験校になる

1校ずつ内申点が何点で偏差値がいくらだとどの辺の高校かなどというデータは著作権の問題もあるので掲載しませんが、中1から成績がこのくらいだとこのあたりの公立高校が受験校になるという大まかなことは知っておいてほしいと思います。

例えば、中1から中3までずーっとオール3の成績だとⅢ型で270点(450点満点)になります。これをⅠ型、Ⅱ型に点数換算しなおします。
Ⅰ型だと162点、Ⅱ型だと216点になります。
偏差レベルを考慮せず、内申だけで判断した場合、以下に示す高校が合格可能性が高い高校になります。

旧1学区
吹田 / 島本 / 北摂つばさ
旧2学区
茨田 / 西寝屋川 / 守口東 / 枚方津田 / 門真西 / 野崎 / 緑風館
旧3学区
平野 / 大塚 / 美原 / 日新 / 懐風館
旧4学区
堺西 / 福泉 / 堺上 / 信太 / 泉鳥取 / りんくう翔南

以下、専門学科もありますが、省略します。
いかがでしょうか?中にはその成績じゃちょっと無理じゃねえの?という学校もありますが、内申点上だけの話で学校名を出しています。
塾側は、この結果に実力テストの点数を加味したり、業者模試の偏差値を加味して合否のボーダーを判断して進路提案を行っていきます。
オール3だと上記にしました学校が合格可能性が高い高校になりますが、実力テストの点数だけ妙に高いという生徒が中にはいます。こういう場合はどうなるのかの話は後程します。

(2)中1・中2はオール3で中3でオール5だとどうなるのか?

いわゆる「中3頑張るマン」ですが、果たして内申点はどのように変化するんでしょうか?
早速検証してみましょう。

中1・・・1科目3点×9科目=27点×2=54点
中2・・・1科目3点×9科目=27点×2=54点
中3・・・1科目5点×9科目=45点×6=270点
合計378点・・・Ⅲ型
Ⅰ型:226.8点  Ⅱ型:302.4点
先ほどと同じようにして、合格可能性が高い高校を一部ピックアップします。

旧1学区
桜塚 / 箕面 / 北千里 / 山田 など
旧2学区
枚方 / 牧野 / 大阪市立 など
旧3学区
清水谷 / 夕陽丘 / 東住吉 / 布施 / 河南 など
旧4学区
登美丘 / 和泉 / 佐野 など

(3)オール3でも実テの点数があれば上位校受験は可能!?

結論から言うと、「お勧めしません」
<理由>
受験当日の学力検査問題次第で不合格の可能性が高いから。
仮にオール3で偏差60あったとします。まさかこの点数で北野高校を受験しようなどと思わないと思いますが、4~5番手校なら受験可能なレベルです。以下実際にあった話をします。

私は旧3,4学区が主戦場でした。通知表の点数が本当にオール3に近い点数で、中3でだいぶ挽回したのですがそれでもⅢ型で320点くらいでした。その生徒は泉北高校の国際文化科を受験すると言い出しました。最終内申点はⅢ型で310点、これをⅡ型に変換した点数は248点で、国際文化科を受験する受験生の平均値よりも50点くらい下回っています。結論を言うと、当時の学力検査で、平均点よりも50点以上取れば合格者レインに入ってくる、という考え方です。
リスクが高すぎます。受験指導としては合格の可能性はかなり低いとしか言えませんでした。案の定不合格でした。50点のビハインドは当日の学力検査で埋められなかったんです。

内申点はそれだけで入試の点数になるんです。学力テストと同じ扱いであることを認識してください。

3:大阪の公立高校入試は中学1年生から始まっている

これまでの内容を読んでもらえれば、中学1年生から内申点がつくので、通知表の評定をとっていかなければならないことがわかっていただけたと思います。
北野や天王寺を目指すのであれば中1からオール5を目指す必要があります。
そんな、オール5なんて必要ないよ
という方もいらっしゃいます。入試当日の点数がとれたら合格できるからです。でも北野や天王寺を受験する受験生がⅠ型で220~230で受験するのはやはり無謀です。この時点で40点くらいのビハインドを背負うわけですから。大阪のC問題は点数とりにくい試験です。1科目たかだか8点くらいの話ですが、点数とれている受験生よりも10点上回るのはきついです。だから1年生から内申点を積み重ねておきましょう!というのが私なりの受験指導アドバイスなんです。

どのくらいの内申点でどのあたりの公立高校が狙えるのか、このくらいの情報は保護者ネットワークで知りえる情報ですから、ひょっとすると新任の塾講師よりもよくご存じの方も多いです。
でも保護者の持っている情報はあくまでも「どんぶり勘定」的な情報です。塾の先生が持っているのは「事実」のはず。学校の先生が持っている情報とリンク出来たら最高なのですが、これは絶対に出回りません。だからこそ、大人数を抱える学習塾にはデータが集まりやすくなります。

ここでデータ的なことを細かく書くよりは、各塾が持っている情報を細かく分析したほうがいいですよ。皆さんは「プロ」なんですから。生徒指導も進路指導も「プロ」の指導を提供するために、今日は現実的な話を新米塾講師・塾運営者向けに書きました。
また追記がある場合は付け足していきます。
お互いに頑張りましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の転職活動がうまくいきますように心よりお祈り申し上げております。
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